12月31日 私、妻、娘、義妹の4人で白山神社に向かう。
9:30上野から列車を乗り継いで鶴来駅到着は16:10。
以前に飛行機が強風の為空港で6時間待たされた苦い経験から陸路としたためである。鶴来駅から白山神社まで約3km、急に雪が降り出した為に歩くのを断念し駅前にあるタクシー会社(しかも車は1台で駅前はタクシーは零)からタクシーに乗り、今回で5回目となる宿「和田屋」に到着。
和田屋は古い旅館で料理が美味く美大出身の才媛の女将が采配を揮っており旅館の中は彼女の美意識で埋まっている。矢張り絵と書の上手さは出色である。
和田屋の年末年始の宿泊は始めて、正月の設え、料理はまた格別のものがある。
大晦日の夕食は部屋に付いている板の間に設えてある囲炉裏端で焼いてくれた串刺の岩魚焼きと美しい器に盛り付けた料理、毎回依頼する岩魚酒2合、後の酒は菊姫の「鶴の里」、持参した赤ワインを飲む。
1月1日 元旦の御節料理と雑煮を食べた後、近くの白山神社参拝。前日から降り始めた雪の中、地元や他県からの車が集中し、多くの参拝客で混雑していた。石川県でも三大神社の一つで毎年人出も多いとのこと。《正式には白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ》霊峰加賀白山の信仰の中心で白山さん(しらやまさん)と呼ばれ厚い信仰の神社である」 和田屋は正にこの神社の根元に建つ山菜割烹の料理の宿である。
参拝の後2kmの雪道の中、連なる車を避けながら歩いて町中に出る。万歳楽酒造は休み、菊姫の店の前で3人の子供さんと雪掻きしていた若いご夫婦に伺ったところ実は東京に嫁いだ娘さんご夫妻だった。お父さんによく似た方である。「実家ですからどうぞ」と快くお店を開けてくれた。大吟譲「吟」と「加州」を買う。今夜の酒はこの「吟」を中心に万歳楽で醸した和田屋オリジナルと4合瓶2本を空ける。
2日 10時手取川の吉田社長が迎えに来て車で手取川に運んでもらう。
母屋は売り物となった古い建物で国道を30kmも曳いて現在の場所に据えたと言うが立派な家である。例によって昨年新増された室を中心に案内された後、熟成中の容器から醪を汲んで飲ませてもらう。あと10日、5日で完成のもので上質の甘酒の風味。
12から14度の酒度である。また17本並べられた当蔵の様々な酒を試飲する。
酒注文の後応接間にて雑煮と肴に、大吟譲古々酒を開けて頂いての接待を受ける。
やや飲み過ぎたかもしれない。5度目となる「和田屋」「吉田蔵」行きは恒例となり、吉田社長の車で金沢駅まで送ってもらう。いつも気持ちのいい白山行きで今回もすこぶる満ち足りた旅であった。
越後湯沢近くで強風の為電車が1時間半遅れとなり、朝の天気予報で報じられた強風の不安は的中した。最近はJRも神経質になってよく止まると吉田社長が話していた通りとなった。
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