16世紀の作家フランソワー・ラブレの「第4の書パンタグリュエル物語」の第17章に奇妙な例が記載されてる。
ギリシャの悲劇作家アエスキュロスは物が崩れ落ちてその為に死ぬだろうと占い師に言われたのであらゆる落下物が無いと思われる野原にいたところが空を飛んでいた鷲の爪から落ちてきた亀がアエスキュロスの禿頭に当り頭蓋骨が粉砕されてしまったという。
ローマのクラウティウス皇帝の前で放屁をこらえていたために頓死した男がいるという記録も残っている。
ローマのフラミナ街道にある墓碑銘には牝猫に小指を噛まれて死んだと刻まれている。 クイントウス・ルカニウス・パッススは右手の親指を針でちくりと刺したために頓死したし、ノルマンディー生まれの医師クヌローは小刀で手から一匹の蝨(しらみ)を斜めにほじリ出したためにモンペリエという街で急死してしまった。
またフィレモンはのそのそ家に入ってきた大睾丸の騾馬が無花果をむしゃむしゃ食べるのを見て可笑しくなり、げたげた笑い出しとめ度が無くなり、脾臓が動きすぎて息がつまって死んでしまったという。スプウリウス・サウフェイウスは湯からあがりしなに半熟玉子を啜ったために死んだし、鼠尾草(ソージュ)で歯を磨いたのがもとで急死した男もいるし、古い借金を支払って気が緩んだのか、今まで元気だったのに頓死した男もいる。
画家のゼウクシスは自分の描いた一人の老婆の肖像を眺めながら笑いに笑って死んでしまったという。
死とは昔からあらゆるところであらゆる瞬間に我々をその「腹黒い計画」の網でくるんでいるのである。
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