2012年5月発行の漫画で作者は卯月妙子である。
彼女は岩手県出身(1971年生)20歳で結婚、ほどなく夫の会社が倒産し、借金返済の為にホステス、ストリップ嬢、AV女優として働く。
排泄物や嘔吐物、ミミズを食べる等の過激なAVに出演、カルト的な人気を得る。その後夫は自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、自傷行為、殺人欲求などの症状のため入退院を繰り返しながら、女優として舞台などで活躍を続ける。さらに自伝的漫画を出版、2004年新宿のストリップ劇場の舞台上で喉を切り自殺を図ったことで話題となる。
「人間仮免」は文字通り自伝的な作品で日常的に病状安定のために、リスパダールセロクエル、セレネース、デパケンR、テグレトール、リボトリールなどの薬を大量に服用、絶えず幻覚に襲われるが25歳年上で62歳のボビーに会い、生活を共にするが、自殺未遂を繰り返し、歩道橋からバンジージャンプで路上に顔面から激突し、顔面はもとより体中めちゃくちゃとなるが、それでも彼女は生きて行かなければならない。
そんな彼女を母親も息子も、そしてボビーも、友人たちも限りなく愛し、暖かく
励ます。彼女が自分の現状を見つめて生きていこうと努力する姿にも、彼女と結婚
することを決断するボビーの姿にも涙なくして読み進めることが出来ない。壮絶で
しかも暖かい物語に打たれる。
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