鳩居堂の3階、4階を使った中国の書家熊蜂氏の作品展である。臨書を3階、創作を4階で展示していたが、臨書は王羲之の蘭亭序、喪乱帖、平安帖、王庭経。欧陽詢の九成宮醴泉銘、虞世南の孔子廟堂碑、褚遂良の鴈塔聖経序と唐の三大家の作品を並べ、張猛龍碑、隷書の名品である礼器碑、曹全碑も並べている。その意気や良し。
完成度も高いが一品、一品丁寧に見ていくと曹全碑ののびやかな流麗さはみられず、九成宮の紙の下の机を切り裂くような鋭さに欠け、張猛龍の力強さも今一であり全体として、古典の形だけを模したようにみえ、力強さ、鋭さ、早さに乏しいと思えるのである。入場者の中に作品購入の希望者が居り、「遣唐使」行書(52x80)の未装作品であったがあまりの高額さに仰天した。予想金額の十倍だった。 ちなみに人間国宝の音丸耕堂氏の色紙水彩画の4倍の価格だったのである。
コメントをお書きください