東京オペラシティ・コンサートホールでの「世界の歌、日本の歌」である。
1曲目は武満徹のMI・YO・TAで始まり、6曲までは日本の歌。7曲目からはイギリス、ドイツ、フランス、日本の愛の歌、休憩を挟んで秋の歌(日本、外国)。
後半はウィーンの歌、ロベルト・シュトルツの「ウィーンの音楽・ウィーンのワルツ」やジーツインスキーの「ウィーン我が夢の街」で締め、アンコール曲は3曲。 予定の時間にぴったりと合わせた。
4曲目の「お菓子と娘」あたりから調子が出てきて、シュトルツやジーツィンスキーでは全開、存分にその力量が発揮されたようである。さほど声量があるわけではないが、口跡が明瞭で非常に聞きやすく、途中で話される日本語が実に美しい。
彼女はドイツ・リート・オペラアリア、日本の歌、イギリス、アメリカ、ロシアの民謡。シャンソン、讃美歌、ミュージカルナンバー、そして日本の歌謡曲と実に幅広く歌っており、各言語とも堪能、いずれも自分の声質を考慮して慎重に選曲している。
悉く鮫島ワールドを現出している。オペラよりもオペラッタのメリーウィドーのハンナ・グラヴァリー夫人のような役が合っているように思われる。
客席は満員で人気の高さが窺えた。伴奏者は言わずと知れた夫君ヘルムート・ドイチュで今回22曲歌った中の16曲目に彼の作曲した「秋」も入っている。
彼女は長く親しんでいた自慢の緑の黒髪をバッサリとショートカットにし我々を驚かせた。
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