失踪日記2として出版されたこの作品は突然の失踪から自殺未遂、路上生活、そしてアル中病棟に至るまでの自伝である。
アル中に陥った妻子ある男が、アル中病棟に入っての経験であり、病棟の入居者を各々リアルに描き分けている。アル中患者の各々の事情や成行きがよく描かれ、面白いが恐ろしい。皆深刻で自殺未遂者も多く、しかしそのなかでも、それぞれ生活もあり生き方もあり人間として生きている。看護師の女性は皆可愛らしく又やさしく描かれており、家族、患者の奥さん達もやさしく、読んで救われる。女性は作者にとってはマリアであり菩薩であるのだろう。読み終わってみると、これはこれで人間賛歌であると思われる。絵は充分考えられて描かれ、背景も書き込まれており、内容に合せて実に巧みに表現されている。
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