オーチャードホールにてボリショイバレエ日本公演みる

 古典バレエの決定版グリゴロービッチ振付「白鳥の湖」、オデット役スヴュトラーナ・ザハーロフ。
この「白鳥の湖」の4分の3の振付はグリゴローヴィチのオリジナルで30年の間に今では世界中の「白鳥の湖」で採用されている。古典バレエの美しさ、優雅さを余すところなく表現し引き込まれた。
グリゴローヴィチの振付けは従来と異なり、真実を見極める力と、誘惑と闘う強い気持ちが生きる方向を決定するのだという考えが、全体に貫かれている。悪魔ゴットバルトは自分自らの内にあるもので、それを擬人化したものとしており、ゴットバルトを踊るバレリーナの卓越した技術は全体を良く引き締めて格調の高さをつくりだしていた。ジークフリート王子も人間の弱さゆえに、幸福を取り逃がしてゆく、血の通った人間性を表現し、誠に充実した公演となっていたように思う。尚終演後、楽屋でバレリーナ ヴェーラ・ワレリーコフと記念撮影に及んだ。