旧鶴来町(現在の白山市)に宿泊するが、5度目となる。相変わらず才媛の若女将と川魚料理の美しく、心の籠った食事で迎えられる。勿論、岩魚の骨酒も所望する。
(写真)和田屋さん若女将による
三々九度の杯
英文学者吉田健一の著『金沢行き』に、古い骨董屋の主人とその隠れ家、万歳楽の小堀社長との交流が描かれているが、その中に旅館が出てくる。
万歳楽の小堀酒造は銘酒「白山」で知られ、鶴来町に蔵があることから、旅館の描写か
らみて「和田屋」ではないかと以前から思ってきた。
『金沢行き』が描かれたのは50~60年以前の事でもあり、若女将は知らないかもと思ったが、念の為に聞いてみたところ矢張り「和田屋」であったことが判明した。
今でも本を読んで尋ねて来る客があると云う。
夕食時に我家の次女が結婚したことを聞いたおかみは、同行した次女夫婦に三ッ重ねの杯を用意し、正装した上で祝い事をしてくれた。父君も同席し謡で鍛えた喉で、高砂を謡ってくれた。思いがけない配慮に妻は思わず涙を溢した。有難いことである。
さて「金沢行き」の目的の2つめは、同じ白山市にあり車で2~30分の吉田蔵訪問である。4日の朝、吉田蔵の吉田社長が恒例の車で迎えに来てくれた。
先ずは蔵の案内が始まり、余す所なく説明してもらう。蔵はこの数年、大規模な設備を行った。縦型精米機2台を始め槽、蒸し器、酒米の洗浄器、瓶詰めの機械等多くが、コ
ンピューターで制御され、精密工場の域を呈している。蔵内の温度、湿度の調節や雑菌
の管理、その他あらゆる所に、細心の注意を払って蔵の改善に総力を挙げて取り組んだ
ことが、見る者に明確に伝わってきて、全体が一段と清潔になってきている。
働く人達も大幅に若返り、皆大学の農学部卒のエリート達で、目的とした設備もこれで
一段落、後継者もヨーロッパに修業に出していた長男に移行しつゝあり、社長の目指す酒造りの体制は着々と整いつゝあると感じた。
酒米農家に対する指導、協力も積極的で、農家の経営安定にも心掛けており、好ましい経営者である。
精米機は高価で経営的には精米を外注に出す蔵元が多いなか、指定通りの精米が行われているか、中に破損米が混入した場合は表示通りの精米率が保証されない危険もあって、酒の命の米に責任をもつ為に、自社で精米することは譲れないのだという。
案内のあと居間で食事と、封切の酒8本が試飲に出された。いずれも美味。
発酵中の酒も、つくりたての酒も飲ませてもらった。
話しは多岐に亘って尽きず、時間は経って、帰りは金沢まで車で送ってもらった。
社長の誠実な人柄にひかれて、何度でも通いたい酒蔵である。
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Brianna Gibby (土曜日, 04 2月 2017 00:39)
Today, I went to the beach front with my kids. I found a sea shell and gave it to my 4 year old daughter and said "You can hear the ocean if you put this to your ear." She put the shell to her ear and screamed. There was a hermit crab inside and it pinched her ear. She never wants to go back! LoL I know this is completely off topic but I had to tell someone!
Dewey Magby (土曜日, 04 2月 2017 02:06)
Thanks for sharing your thoughts on %meta_keyword%. Regards