3月13日の日経の一面は福島第一原発の廃炉に向けて「廃炉技術、米仏と連携」である。福島原発1~3号機で手つかずのまゝ残る核燃料の回収など。廃炉は困難を極めている現状と廃炉の核心に近い工程について報じている。
福島原発の事故は全く進んでいないまゝであることを改めて確認している。
同日の朝日は一面に「原発事故、収束の担い手は」で自衛隊消防班の5人の活動を追っている。高い放射線量のなかでの作業は困難を極めた。事故時の対策は全く考えられていなかった実態を明らかにしている。政府の今月の原子力関係閣僚会議で「国が責任をもって対処する」と明記したが、具体的対策は決まっておらず「国の責任」をどうとるのかも不明である。
3面での国の対策強化について「安全対策」を強化したから事業者で対応できる」と考えるならそれは、それは新たな「安全神話」の始まりだろうと結んでいる。
読売のおためし無料配達3日目の3月13日の一面は「人口知能また壁を破る」で囲碁トップ棋士に3連勝をあげている。これが一面に掲げる事柄であるのかと首を傾げざるをえない。福島原発については当日の紙面にたゞの一行も触れていないのである。
一方で「保育園落ちた、日本死ね」と題した匿名のブログに関する記事では朝日が社説で政権への市民の反発と政府の欺瞞的対策と対抗を批判。
女性の活躍を言うのならまず現実を直視することから始めてほしいと苦言を呈しており、
日経では日曜に考える「時流」では、そもそも「女性の活躍推進」「希望出生率1.8」を掲げる政権とって仕事と子育ての両立を支える保育サービスの拡充は重要課題だったはずなのに、国の保育サービスを柱に据えた少子化対策を打ち出した1994年12月以来、待機児童の数は減少していないこと、政府は13年に待機児童を解消する目標を掲げたが、有効な手段を講じていないと、一方の読売は2面で、見出しに一億活躍プラン策定として、政府の「同一労働同一賃金」「待機児童問題」に本格的に検討し政策づくりに急いでいる」と政府の対応を中心に報じており、政府批判の観点は全くない。
権力批判と看視はマスコミの生命線であり、これが全く失われた報道機関は一体何を誇りとして世間に報道しようと云うのであろうか。
コメントをお書きください