東京は22度、曇りではあったが桜見物を川から見るコースである。楽水橋を経て新東
海橋から目黒川に入り昭和橋、州崎橋、品川橋あたりまでユリカモメと川鵜が集まって、潮の香りもしていたが、東海橋、御嶽橋に至ると水は臭気を放っていた。
お目当ての桜は2~3分咲きだが、人出は予想以上であった。目黒川の治岸に建ち並ぶ
建物は多くが21世紀に入って建設されたものゝようで、大半が総硝子張り、何の規則
性もなく各々バラバラで統一感もまるでない。
ヒートアイランド対応との事で、各建物の向きもまちまち、見た目の美しさは考慮され
ていない。大地震が起ったら、あっと云う間にガラスの瓦礫の山となるであろう。
脆く無機質で、実在感なく、人の息吹きの感じられない街となっていた。
あたかも過去の歴史も伝統も無視して突き進む日本の政治、社会を映し出しているようで
あった。
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