記録映画「沖縄  うりずんの雨」鷹野文化センターみる

うりずんとは『潤い初めが語源とされ、冬が終って大地が潤い草木が芽吹く3月頃から
5月ぐらいまでを指す言葉で、4月1日から始まった沖縄地上戦がうりずんの季節に重
なっていたことから「うりずんの雨」としたものである』

映画は第1部から4部まであり、計2時間半の長編でる。

 

1部は「沖縄戦」生き残った元米兵と日本兵及び沖縄の人々と、新たに発掘された米軍撮影の映像を重ねて構成され沖縄地上戦の実像に迫る。

 

2部は「占領」、米軍の上陸直後から始まる。「沖縄は自分達のものとなった」感覚の

米軍基地建設と、占領下での沖縄人の反基地闘争を描く。

 

3部は「凌辱」読谷村のチビケリガマ集団自決の実態と、米兵による沖縄の女性達への

性の暴力の驚くべき数とその実態を被害の側の人々と加害者である元米兵の証言を通し

て語られる。また沖縄女性に対する性暴力が実は米軍内での女性兵士に対する多数の性

暴力と不可分の関係にあることが明らかにされてくる。


4部は「明日へ」 辺野古への米軍基地建設をめぐる日本政府の強引な対応と、沖縄への差別が戦後70年の今日まで続いていることの理不尽さと本土の人々の無関心に対する沖縄人の失望と怒りが語られる。


戦後米軍は沖縄を「戦利品」として扱い、膨大な基地を建設、世界戦略の要石として

位置づけてきた。
平和を求める沖縄の文化は1950年代の島ぐるみ闘争から今日の辺野古移転反対まで一貫して闘われてきたが、日本政府は沖縄を米軍の「戦利品」として売り渡し、対米追従の

路線を歩んできた。
「これを清算するのはアメリカと日本の市民の自覚にかゝっている」と映画の監督ユンカーマンは語っている。

 

この映画は「アメリカ社会に沖縄の事を知らせ、その責任を問う」と全米上映を目指し

ている。