ポンペイの壁画展みる( 森アーツセンターギャラリーにて )

第10代皇帝ティトス治政の紀元79年8月ローマ市の大火、疫病の後始末などに追われていた時代、イタリヤ南部の活火山ベスビオス火山が噴火し、ポンペイを噴火物で埋めたのである。時代を瞬時に閉じ込めたポンペイの街は、18世紀に再発見され、古代ローマの人々の豊かな暮らしを今日に伝えている。
古代ローマの人々が好んだモチーフや構図が紹介されているが、その総てが建造物を壁画で飾っており、画法はフレスコ画である。(漆喰を塗って乾ききらないうちに水彩絵具で描く技法)。以前は壁を剥がして動かしたが、現在は上面をスライスして軽量化している。初代皇帝アウグストス崇拝の場から出土したギリシャ神話を題材にした美しい壁画の数々は圧巻である。