第94回白日会展をみる。(3/21~4/2) 国立新美術館で開催
準会員の北澤浩さんの作品を見るためである。
大正13年創立した白日会は写実を標榜し、見えるものを通して見えないものを描く
を理念とした。会長は中山忠彦で彼も例の通りの婦人画が出展されていた。
700点に及ぶ作品の水準は高く、特に婦人像に優品が多いと感じられた。
ルドン「秘密の花園」展(2/8~ 5/20)
丸の内三菱一号館美術館で開催
中心はドムシー城に飾らていたグラン・ブーケ(大きな花束)と パステル画と食堂に飾られた15点の壁画(油彩)ある。
しかし黒の時代の一連のリトグラフや木炭/紙の作品群が素晴しい。
油彩は「若き日の仏陀」や「オジーヴの中の横顔」「花の中の少女の横顔」等人物が魅力的である。晩年の芥子の花を中心とした花瓶の花シリーズは文句なく美しい。
中高生の頃姉が購読していた「婦人公論」の口絵にヨーロッパ絵画シリーズが連載されていた。中にビュッフェの20歳半ばの作品、身体の衰えて目がかすむ「老いたピエロ」があり、エルンストの前面に蔓草が生
い繁り、後方に月光に照らし出された過去に繁栄を誇って今は崩壊した都市「廃都」。
他スーチン、キリコ、モンドリアンそしてルドンの「ゴヤ頌」が掲載されていたがルドンの特異な黒の中に強い色彩を感じていた。
一連のこの口絵によって絵画の目を開かれたのである。
さて展覧会会場は入場者も少なく充分堪能することが出来た。
ルドンが一般的な作家でない事や、会場がさほど知られてない事もその理由であろう。
長年の念願が叶って有難かった。
「グラン・ブーケ」 NHK日曜美術館より