私と金泥の書 (その3)作品紹介 3 / 3

私と金泥の書 作品紹介 3 / 3   4月28日 2/3 より続く

24.李白 詩選  25.  正法眼蔵随聞記    26.  菅 茶山 作 七言律詩  法隆寺 持国天 賛  27. 李白 作 五言律詩  法隆寺 九面観音 賛 28.張 廷琢 作 マリア観音 賛 

 

24.  李白 詩選  李白は李太白(701~762)

酒を好み奇行多く遊侠の人。文才を認められて玄宗皇帝の側近に取り立てられたが高力士等の高官に嫌われて宮廷を追放されている。その後野心家の王子に利用されて部下となったが、中央政府から処罰された。

政治への関心が強く、詩文は政治、酒、遊侠、山水、婦人等多岐にわたっている。

今回は3分の2が酒に関わる詩をあつめ、3分の1が王昭君や西施を始めとし女性に関する詩を取り上げたものである。

 

李白を良く表した詩に

問余何意住碧山 笑而不答心自閑職 桃花流水窅然去 別有天地非人間

(俗人は私にたずねる あなたは何が面白くてこんな山の中に住んでいるのですか 私は笑って答えない ただ黙っている だまっていて 私の心にわだかまりはない)

俗人どもの世界とは違った純粋な美しい別のひとつの天地がこゝにはある。

 

25.  正法眼蔵随聞記  懐奘 作

宗教家 道元禅師の思想を知るのに最も適切な入門書である。

道元の弟子孤雲懐奘(1198 1280)は師が折に触れて説示した教えを自ら書き残したのが随聞記である。もともとは懐奘がメモとして書き残していたものを懐奘の弟子達が整理編集して一書をしたと考えられている。

随聞記が今日なお愛読されているのは、そこにたぎっている精神的気魄である。

 

26. 菅 茶山 作 七言律詩 

法隆寺 持国天 賛

竜 盤

竜盤寅路帝王都  誰見当時職貢図

祭祀千年同雅楽  朝廷一半漢名儒

世情頻逐浮雲変  吾道長懸片月弧

懐古終宵愁不寐  城鐘教杆起栖烏

 (法隆寺 持国天立像)

 

27.李白 作 五言律詩 

法隆寺 九面観音 賛

贈 銭徴君少陽 

白玉一盃酒  緑楊三月時

春風餘幾日  両鬢各成絲

乗燭唯須飲  投竿也未遅

如逢渭水猟  猶可帝王師

(法隆寺 九面観音)

 

28.張 廷琢 (清代) マリア観音 賛

閑雲野鶴心同静  瓶水爐香意自如

(マリア観音像)