刻字 (1~19)     2022/1/30 

1. 交以淡成 - 1  15 x 30cm    漢魏六朝  郭璞     2-113

言以忘得 交以淡成 

言説は忘れて得られ 交際は淡泊をもって成るのである。

 

2.龢     20 x 30㎝    2-116

声符は禾(ヵ)、 龠(ャク)は笛  楽音のととのうことを云う

龢(ヤク)も禾(カ)に従う形であるがその禾は軍門の意でなく、もと農耕に関しその儀礼に笛を用いたのであろう。

 

3.言必有防 30 x 54㎝  漢魏六朝 徐幹 2-278

行必有検 言必有防

行為には必ずつゝしんで妄りにせず。言語には必ず用心する所ありて、でたらめにせぬ。

 

4. 月以表我心  17 x 60cm   元代 劉詵 2-868 

月以表我心 澗以明我徳  

くもりなき月光はわが心をあらわすもので 谷川の水の清きは我が善行を明らかにする。

 

5.24寿 65 x 25㎝   2-861

篆書 24文字 

 

6. 無疆福  30 x 60㎝   唐代  李商隠 (リショウイン)2-864

かぎりなき幸福。

 

7.遊星 12 x 17㎝   2-867

惑星のこと。比喩的に実力が未知ながらも有力とみなされる人を云う。

 

8.春雨 37 x 19㎝    2-865

春降る雨、特に若芽の出る頃 静かに降る細かい雨

万葉集に「春雨に燃えし柳か 梅の花 ともに後れぬ 常の物かも」がある。

大伴宿称 書持作 

 

9. 曹全碑  70 x 30㎝  2-871

曹全碑 漢代  (金 泥)

隷書は秦の程邈(テイバク)が小篆の繁雑さを省いて作ったものとされ、漢代に装飾的になる。隷書は漢代に絢爛たる一時代を築くが、その掉尾を飾ったのがこの曹全碑である。

曹全碑は万歴(16世紀)の初めに出土したもので当初は傷みが少なかったが、業者が拓本を取ったあとに傷を意図的につけていった為に傷みがひどくなって行った。本文は849字である。曹全はあざなを景完といい、やがて孝廉(コウレン)に挙げられ郎中の官に叙せられ、西域戊部司馬を拝した。黄巾の乱に際して選ばれて郃陽令を拝し動乱を収拾、そこで群僚たちがその高徳を表彰するために、その功績を石に刻したのがこの碑である。しかし漢帝国の滅亡に際し、急拠この碑は埋められた。 

 

10.  寿 30 x 70㎝    2-938

豊穣を祈る字で祷(トウ)の初文。金文に「眉寿無期」のような語がある。

 

11.  瀧 25 x 100㎝   2-937 

万葉集に「雨零(フ)れば瀧(タギ)つ山川」のように云う。説文には雨の降るさまを云う

 

12.新月一鉤 60 x 17㎝ 明  呉子和       2-869

荷香十里 新月一鉤

蓮の花は十里も続いて香気を放ち 三日月は一箇の鉤をかけている 

 

13.龢(ヮ) 2-866      

 

14. 寿 11 x 16㎝    2-939

 

15.戦国時代 瓦当文   4-437 

文 長楽無極 興天無極 

幾久しきたのしみがいつまでもつきぬ

物事の永久につきぬのを祝う語 

 

16. 交以淡成 -2   x  cm    漢魏六朝  郭璞   4-438

言以忘得 交以淡成 

言説は忘れて得られ 交際は淡泊をもって成るのである。

 

17.誠 堅  作品の大きさ 45 x 20㎝  4-427

物事に誠実に対処し、堅い信念を有している。

 

18.  桂隠 作品の大きさ 9 x 26㎝ 4-435

隠者を云う。

19. 遊 作品の大きさ  x  ㎝ 

 遊ぶものは神である。神のみが遊ぶことが出来た。遊びは絶対の自由と豊かな創造の世界である。それは神の世界に他ならない。この神の世界にかかわるとき、人もともに遊ぶことができた。神と共にというよりも、神によりてというべきかもしれない。祝祭においてのみ許される荘厳の虚像と秩序をこえた狂気とは、神に近づき神とともに在ることの証であり、またその限られた場における祭祀者の特権である。

遊とは隠れた神の出遊をいうのが原義である。それは彷徨する神を意味した。

ー白川静 遊学論よりー