今年2014年放映された130試合から選ばれたベストマッチランキング 20試合を
取り上げる。
20位 北米ウェルター級王座決定戦 アンディー・リー 対 ジョン・ジャクソン
ジャクソン ダウンを奪ってワンサイドに試合をすすめ、KO寸前のところで逆転の
一発を受けKOされる。
19位 サウル・アルバレス 対 アルフレド・アングロ
お互いに元王者同士」、人気アルバレスはメイウェザーに敗れての再挑戦である。
一方的に攻めて8R TKOにアングロを下して勝利を飾った。
18位 キース・サーマン 対 ヘスス・ソト・カラス
次世代のスーパースターと目されるサーマンは存分にその実力を披露し、9R TKO
にカラス下す。
17位 ジョバンニ・セグラ 対 エルナン・マルケス
メキシカン 対 沢 お互いに強打の持ち主、打ちつ打たれつの激闘の末12R KOで
セグラ勝利。
16位 ゲイリー・ラッセル 対 ワシル・ロマチェンコ
ロマチェンコはプロ3戦目でラッセルを判定に下して王座に突く。
15位 カール・フロッチ 対 ジョージ・グローブス
因縁の試合の2戦目、フロッチ今回は8R KOで決着。
14位 ファン・マヌエル・マルケス 対 マイク・アルバラード
カウンターの名手マルケスと激闘型のアルバラードの試合は倒し倒されの末判定
でマルケスに軍配。アルバラードは持ち味を出せなかった。
13位 ローマン・ゴンザレス 対 ロッキー・フェンテス
プロ・アマ通じて無敗の3階級制覇、チャンピオン ゴンザレスの一方的試合で
6R TKO。
12位 ロバート・ゲレロ 対 亀海喜寛
打ちつ打たれつの好試合であったが、ゲレロに一日の長あり、ゲレロ判定勝ち。
11位 オルランド・サリド 対 ターサック・ゴーキャットジム
サリド3回、ゴーキャットジム4回のダウン応酬の末にサリド11R KOにゴー キ
ヤットジムを倒す。
10位 ホルへ・リナレス 対 荒川仁人
リナレス ワンサイドに荒川を判定に下す。
9位 ゲンナディ・ゴロフキン 対 ダニエル・ギール
接戦も予想されたがゴロフキンの攻撃凄まじく3Rでさしものファイトマン ギール
もギブアップ。
8位 テレンス・クロフォード 対 ユニオルキス・ガンボア
お互いに全勝同士。
7位 マニー・パッキャオ 対 クリス・アルジェリ
アジアの英雄パッキャオが番狂わせでプロポトニコフを疑惑の判定で下したアル
ジェリと対戦、戦前苦戦が予想されたパッキャオであったが実力差は歴然として おり、6度のダウンを奪った上で、判定であるが文字通りの圧勝であった。
来年は夢の対決メイウェザーとの頂上決戦が確実視されている。
6位 ウラジミール・クリチコ 対 クプラト・プーレフ
クリチコは4度のダウンを奪って5R KO、相変わらずの強みを見せた。来年はデオ
ンティ・ワイルダーとの対戦が見込まれる。難敵だ。
5位 三浦隆司 対 エドガル・プエルタ
三浦1Rでダウンを奪うや、6R TKOにプエルタを下す。右のパンチも強くなり、
防御も巧くなった。
4位 セルヒオ・マルチネス 対 ミゲール・コット
ミゲール・コット 1R、左フックでマルチネスが3度のダウンを奪い、その後も優勢
に試合をすすめ、9R4度目のダウンを奪うやマルチネス、9回終了時でギブアップ
10回開始時にTKOとなる。一回のダウンが総ての試合だった。コットも体格的に
ミドル級は無理であろう。
3位 カール・フロンチ 対 ジョージ・グローブスの一回目の対戦
1R、フロッチ・グローブスの右ストレートのカウンターをまともに受けてダウン
その後もグローブス
のコンパクトなパンチに劣勢を強いられきたが後半に入ると体勢を立て直して自分
のペースを取り戻し、9R逆転TKOで劇的な勝利となる。
2位 フロイド・メイウェザー 対 マルコス・マイダナ
1Rマイダナ猛攻をかけてメイウェザーをロープに押し込み、パンチの嵐を浴びせ
る。2R以降もマイダナの攻勢は止まらないがメイウェザーこれを冷静に受け止
め、カウンターを決めて主導権を握るや試合を支配し、2:00判定で豪腕マイダナ
を苦くも下す。
1位 ノニド・ドネア 対 ニコラス・ウォータース
ここ数試合苦戦を続けてきた5階級チャンピオン ノニト・ドネアであったが、
この試合はウォータースにパンチ力、体力ともに圧倒されて、6R KOで完敗で
主役交代となる。ウォータ―スは体格的にも恵まれ、長い腕で顔、ボディーを完
全にカバー、早くて強い左ジャブで相手をコントロール。
軽中量級の中心選手となっていく事であろう。
1)マニー・パッキャオ(フイリッピン)34歳 ウエルター級
苦手のファン・マヌエル・マルケスに衝撃のKO負けを喫した。フィリッピンの英雄パッキャオは再起戦でブランドン・リオスを完封し、ひとまず再起を果たしたが残るはメイウエザーとの一戦ただ一つである。メイウエザーにとっても最も恐るべき相手となることは間違いない。パッキャオの左ストレートと出入りのスピードパンチの多彩さは他に類をみないからである。この一戦はお互いに引退をかけた戦いにあるであろうが実現することが果たしてあるだろうか。
2)サウル・アルバレス ウエルター級 23歳 メキシコ 44戦42勝30KO1分1敗
天才メイウェザーと対戦したが、完敗した。戦術的に失敗したことが原因で高度なテクニックを有する相手には並みの戦い方では勝てないことが証明された。これを糧とすることが若き才能の正念場である。
3)ノニト・ドネア (フィリッピン)30歳 34戦 31勝 21KO2敗
12年振りにリゴンドーに敗れてスーパースター候補への道は一頓挫したが、再起戦ビック・ダルチニヤンと対戦、苦戦を強いられたが9R、逆転の左フックで辛うじてTKOに下したものの以前の輝きはみられなかった。天才のドネアの正念場は次の試合である。あの鋭い左フックは復活するか。
4)オルランド・サリド (メキシコ)32歳 55戦40勝28KO12敗2分1無効試合
サリドはたたき上げでここまで来た選手で無骨な選手である。負けが多いが、実に粘り強く、いかに敗色が濃い試合も勝つチャンスを必ず狙って常に自分の力を信じて闘う姿は美しい。勝利への執念は立派で頭が下がる。プロボクサーの典型的姿の一つであり得難い選手の一人である。そのためにチャンピオンに何度も返り咲いているのだ。
「心に残った選手」
1)ゲンナデイ・ゴロフキン 2)ウラジミール・クリチコ 3)フロイド・メイウェザー
4)バーナード・ポプキンス 5)ミゲール・ガルシア 6)ダニー・ガルシア 7)ギジェルモ・リゴンドー 8)アンドレ・ウォード 9)カール・フロッチ 10)ルスラン・プロポドニコフ
1)ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)31歳 WBAミドル級王者。
なんと云ってもこの年一番注目され、勢いもある選手で、KOの山を築いている。28勝
全勝25KO、KO率89%の強打者であるが、しかしよく見るとスピードが特別ある訳
でもなく、力を籠めてパンチを振う訳ではないが、プレッシャーの掛け方が旨く、距離が
自分の得意に入ると多彩なパンチを上下に打ち分けて相手に当てる勘が素晴らしい。強いパンチが連続的に打てるのは体幹が余程しっかりしているからであろう。しかし無理押しすることはないから危険を伴うこともない。打たれ強さも、スタミナも充分備えており、死角は見当たらない。現在15連続KO中で序盤でも終盤でもKOできる万能選手である。
2)ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)37歳 63戦60勝51KO3敗。
ヘビー級4団体のうちWBCが兄のビタリが王者で、残り3団体の王者として7年間
15度の防衛中。群を抜く頭脳明晰さで、自分が勝利するための最も高い可能性を判断し徹底して試合で実行する選手で、常に冷静、パンチは体力を使うことの少なくて、最も
有効なストレートを主体としてフック等はほとんど使わない。左ジャブが中心だが早くて
長い他の選手のストレート程の威力に相手は容易に踏み込めない。ジャブで距離を計って大砲のような右ストレートが飛んできて、当たれば一撃で誰でも倒れる驚異の威力がある大男に必然的に存在する体力の持続にも充分考慮しておさおさ怠りない。
王座交替する可能性は、本人の病気、怪我、モチベーションが失われての引退か、またはリングで転んで負傷する事以外にはないのではと思ってしまうのである。ヘビー級史上で安定感ナンバーワンの選手であることは間違いない。
3)フロイド・メイウェザー ウエルター級 36歳 44戦全勝26KO
天才の名をほしいままにしているボクシング界のスーパースターである。そのスピードは攻撃といわず防御といわず総ての部分で群を抜き、無人の野を行くおもむきがある。昔の選手は知るべくもないがボクシング史上最高の選手の一人であることは間違いない。ボクシングがまさに芸術の域に達した見本のような選手である。
4)バーナード・ポプキンス 48歳9ヶ月
ミドル級時代20度の防衛を果たして後ジャーメン・テイラーに連敗したときは年齢から見て30歳後半でもありポプキンスの時代は終わったと誰もが思ったのである。
しかし彼の不屈の魂は、これを乗り越えて新しいスタイルで新しい高みを目指して挑戦を続けて、今まで誰もなしえなかった48歳1ヶ月でLヘビー級のタイトルを奪取したのである。その後48歳9ケ月でカロ・ムラットを倒し防衛に成功、ミドル級時代悪役の代表として、人気も出なかったポプキンスは悪役のまま、変幻自在なテクニックを駆使して夢のスーパースターの地位を掴んだのである。この偉業は今後破られることはあるまい。
5)ミゲール・ガルシア Sフェザー級25歳(米)33戦全勝28KO 84%KO率
軽いフットワーク、しっかりとしたガード、常に身体を柔らかくしてスムーズにパンチを出し、左ジャブは早く正確、多彩なパンチを顔面、ボディに打ち分け、まことに教科書どおりのボクシングを展開し、安定感抜群のスーパースター候補No.1の選手である。
6)ダニー・ガルシア ライト級WBA、WBC(米)25歳 27戦全勝16KO
歴戦の雄エリック・モラレスそしてイギリスのスターアミール・カーンをともにKOに下して一躍スターダムにのし上がったガルシアはルーカス・マティセとの頂上決戦に勝利してスーパースター候補となった。カーンに勝った後の対マティセ戦のガルシアの成長振りは文字通り目を見張るものがあった。
地位はこれほど選手を成長させるものかという見本のようで、今後の試合が最も期待される選手である。
7)ギジュルモ・リゴンドー 31歳 オリンピック2連覇、世界選手3連覇のエリート選手、8戦目で王者となるが、飛び込みの速さと引きの早さと、パンチのタイミングの良さは軽量級のNo.1で、あのドネアがスピードで手も足も出せないで完敗したのでもよく分かる。プロでもスーパースターであった。
8)アンドレ・ウォード Sミドル級のスーパーシックスで有力候補に名前があがらなかったウォードが持ち前のスピードで次々と難敵を下し、あれよあれよという間に優勝をさらって一躍脚光をあびた。地元の米では大変な人気者である。相手をねじ伏せるような選手ではなく、巧い地道な選手ではあるが、負けない選手でありもっと取り上げてよいと思われる。
9)カール・フロッチ (米)36歳 WBA、IBF Sミドル級王者。
スーパーシックスでジャーメン・テイラーと対戦、敗戦濃厚の試合を12R逆転KOに下し、一度敗れたミッケル・ケスラーと対戦し激闘の末判定に下し、その決して諦めないファイテングスピリットの並ゝではない事天下に知らしめた。ニックネームのコプラに恥じない魅力に溢れた選手である。年齢に反して今が絶頂期はないかと思われる。
10)ルスラン・プロボドニコフ ロシア 28歳 25戦23勝16KO2敗。
11月18日Sライト級WBCマイク・マルバラードと対戦し激戦の上KOに下したプロボドニコフは文字通り激闘型の選手で、フットワークは使わずに顔面防御で前進あるのみ、打たれても怯むことなく打ち続けて、いずれが倒れるかという選手で、相手となる選手には実に恐るべき嫌な選手である。打っても、打ってもなにくわぬ顔で前進し、爆発的な力で打ってくるのである。激闘型でもこれほどの選手は稀である。
こんな選手を取りあげました。
10)6階級制覇のマニーパッキャオ(フィリッピン)
9)3階級王者 フェリックス・トリニダート
8)6階級制覇のオスカー・デ・ラ・ホーヤ
7)Sフェザー級の4強時代(58.9kg)フロイド・メイウェザー(米)
& ホエル・カサマヨル / アヤリノ・フレイタス / ディエゴ・コラレス
6)フェザー級 ナジーム・ハメド(メキシコ出身 英国)
5)スーパーバンタム級 エリック・モラレス (メキシコ)
4)スーパーバンタム級 マルコ・アントニオ・バレラ (メキシコ)
3)スーパーバンタム級 ブヤニ・ブング (南ア)
2)バンタム級 ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)
1)ミニマム級 リカルド・ロペス(メキシコ)
6階級制覇のパッキャオ、ニックネームはパックマン、マニー・パッキャオ(フィリッピン)は1998年12月チャッチャイ・サーサクン(タイ)を8RKOでWBCフライ級王座につくが1999年9月メッグン・3Kバッテリ(タイ)に3ROで敗れタイトルを失う。
2001年6月タイトル防衛4度中の強豪リーロ・レジャバ(南ア)を6RTKに下し1BFバンタム級の王座につく。2003年11月、モラレスと全勝のナジーム・ハメドを倒し当時無冠の帝王と謳われた軽量級のスーパースターのマルコ・アントニオ・バレラをWBCの王座挑戦者決定戦をして11RTKOに下し、一躍スターダムにのし上がる。
2008年3月ファン・マヌエル・マルケスを判定に下しWBC Sフェザー級の王座につく。2008年6月ディビット・ディアスを9RTKOに下しWBCライト級王座につく。同年12月、オスカー・デ・ラボヤーを8RTKOに下す。2009年11月ミゲール・コットを12RTKOに下し、WBOウエルター級王座につく。2010年3月ジョシア・クロシティに12R判定に下す。同年11月アントニオ・マルガリートを12R判定に下しWBC Sウエルター級王座につく。2011年シェーン・モズリーを12R判定に下す。(WBOウエルター)。2008年3月のSフェザー級58.9kgから11年11月Sウエルター級まで69.82kg、3年間で11kg
の体重差をカバーしたのである。パッキャオはエリック・モラレスに敗れて既に3敗しており、バレラを倒すまではほぼ無名の選手であったがマルケスを倒す頃から次々と階級を上げて強豪ばかり、中にはバンタム級のオスカー・ラリオス Sライト級のタフでメイウエザーに1敗したのみのスター街道を走るリッキー・ハットンを衝撃のKOに下しており
まさかのデラボーヤKO。防御が固く強打のマルガリートに1敗したとは云え、依然としてウエルター級の中心に座る。ミゲール・コットを3度のダウンの末12RTKOに下し、打たれ強く、打ち出したら止まらない恐るべきタフガイ。「人間風車」とニックネームのマルガリートをKO寸前まで追い込んで圧勝。コットと熱戦を演じた。完璧なガードと右強打のクロッテイを鎧袖一触、相手に何もさせずに圧勝した。全17階級のうち10階級50.8kg~69.85kgにわたって6階級を制覇したのである。当初から計画していれば10階級も制覇出来た知れない。体力的に劣ると思われていたアジアの選手でクラスをあげて次々と強敵と対戦し、体重の壁を乗り越えて、試合を重ねる毎に、パンチ力、巧みさ、体力、打たれ強さ、試合運びの巧みさを身につけ、対抗、10階級を通して闘うボクサーはボクシング史上類例がなく、今後も決して出現することのない驚異の異能ボクサーとしか言いようがない。
彼は現役のボクサーであり、フィリピン国会議員でもある。ファイトマネーは学校建設などにも出されており、刻印生活向上に貢献しているとのことである。
3階級王者 フェリックス・トリニダート 1993年6月 モーリス・ブロッカーを2RKOに下しIBFウエルター級の王者に20歳の若さで座る。
99年9月オスカー・デ・ラ・ホーヤとのWBC、IBFのベルトを賭して全勝対決、僅差の判定で下すと同年12月Sウエルター級の「アメリカン・ドリーム」ことデビッド・リードを4回のダウンを与えて判定に下しSウエルターのWBAタイトルを獲得。
2000年12月同級WBA、IBFのタイトルを賭けて、全勝のフェルナンド・バルカスと対戦3回のダウンを奪って12RKOに下すと2011年5月ミドル級のウイリアム・ジョッピーを5RTOに下しWBAの王者となる。
2001年9月WBC、IBF・WBAのタイトルをかけてバーナード・ホプキンスと対戦したが、体力の差もあり、12RTKOに敗れた。初の1敗ではあるが完敗であった。
これでトリニダートの輝きは失われ、後数試合を行うが引退、再起を期して復活したが成功せず。彼の特徴はアップスタイルのオーソドックス、右ストレートと左フックの切れ味抜群だが打たれ弱く、よくダウンを奪われたが異常な回復力で必ず相手を打倒する極めてスリリングな選手で、デ・ラ・ホーヤを破ってから一挙にフィバーし、短期間の間に3階級を制した。天才肌のボクサーであった。
オリンピック金メダルを引っさげてプロ転向1994年3月、ジミー・ブレダール(デンマーク)を10RTKOに下しWBOSフェザー級王座につくや次々と階級を上げてミドル級までの6階級を制覇した。転機は96年6月WBCSライト級王座100勝して僅か1敗メキシコの英雄フリオ・セザール・チャペスを4R負傷によるTKOに下したことにより以後強敵を相手にするようになる。
それまでは金の卵のデラ・ホーヤを大切に育てる為に主に4団体の中で格落ちの感があるWBOを主として標的にし、弱いと思われる相手を選択して徐々に実力向上を図り、当初から狙い通り6階級を制覇したように思われる。6階級制覇は史上初だからだ。
97年4月当時一敗の王者防衛技術は当代一と言われた。元金メダリスト、パーネル・ウイテカーを下しWBCウエルター級の王者につき2001年6月ハビェール・カスティリエホを下しWBCSウェルター級を制して王座につきその後ミドル級を制して、
6階級を制覇した。デビュー当時からボクシング界の救世主と目され、本人も充分に自覚して、試合振り、インタビューにも細心の注意を払いそれまでの野蛮な品の悪い、柄の悪いといったイメージをステータスの向上により女性もファンにする大衆化に大いに貢献した。現在はプロモーターとしてボクシング界を引っ張っている。ニックネームは「ゴールデンボーイ」
Sフェザー級の4強時代 58.9kg フロイド・メイウェザー(米)1998年10月ヘナロ・エルナンデス(米)を鼻柱骨折による試合放棄で8RTKOに下しWBC王座につく。
ニックネームは「プリティボーイ」
1999年6月 ホエル・カサマヨール(キューバ)はアントニオ・エルナンデス(メキシコ)を判定に下しWBA王座につく。
1999年8月アセリノ・フレイタス(ブラジル)はアナトリー・アレキサンドロフ(カザフスタン)を衝撃の1RKOでWBO王座につく。
1999年10月デイエゴ・コラレス(米)はロベルト・ガルシア(米)を7RTKOに下しIBF王座につく。4人とも全勝。
中でもフレイタスは27戦全勝全KOと暴風のような凄まじさで、あまりの破壊力の凄さに、相手は怖気付き攻撃力が防禦の役割を果たしていた。
フレイタスの長い右ストレートとフックにことごとく打ちのめされていった。ニックネームは「ブラジリアン・ボンバー」。
2001年1月 全勝対決でメイウェザーはコラレスと対決。コラレスは180cmの長身で減量苦に悩まされていてライト級に転向する予定のところ、この試合が決まり、一旦決まった路線から急に再度の減量を強いられた為か、精彩を欠き戦前の予想では長引いたらメイウェザーはコラレスに捕まって、その強打の餌食となるのではとみられていたがメイウェザーは数度のダウンを奪い10RTKOに下した。メイウェザーはこの試合が大きな転機になったのではないか思われる。それまでは巧いボクシングではあるが強さは感じられなかった。。以降巧さに強さが加わったように思われる。現在(2013年12月)まで全勝。ウエルター級までの5階級を制覇してして敵なし。敗ける姿が想像できない強さがあり、現代通じて最高の選手である。現在のニックネームは[マネー」。
一方コラレスはライト級に転向し活躍したが後年交通事故で死亡している。カサマヨルとフレイタスはすでに引退している。
フェザー級 57.15kg ナジーム・ハメド (メキシコ出身・英)
Sバンタム級で闘っていたがフェザー級に下げて1995年9月ステーブ・ロビンソン(英)を8RKOに下してWBO王者に付く。2000年8月ケビン・ケリー(米)を倒すまで14回防衛、後マルコ・アントニオ・バレラに判定敗して後2試合して引退。敗けはバレラ戦の一敗だけである。 一貫して両手ダラリのノー・ガードスタイルでド派手な入場で会場を沸かし、ヒョウ柄のトランクスを着けて、打つときはアゴは上がり、パンチは打ちっ放し相手の攻撃はすべて上体をくねらせ又は後に反り返えってかわし、相手を小ばかにした態度で挑発するなど、度胸満点、緊張することなど全くない常識を超えた今までのセオリーをことごとく覆す闘い振りで、9割を超えるKOの山を築いて、当るを幸いことごとくなぎ倒し、全勝街道を驀進した。観客はその試合振りに大いに湧き、人気沸騰、スーパー・スターとなった。ボクシング界のエンター・テイナーであった。ニックネームは「悪魔王子」。
スーパー・バンタム級 エリック・モラレス(メキシコ)
1997年9月メキシコの古豪ダニエル・サラゴサを11RTKOに下しWBC王座につく。2002年バレラを判定に下し8度防衛。2009年ケビン・ケリーを7RTKOに下しWBCフェザー級王座につく。その後Sフェザー級でマニー・パッキャオと3戦して1判定勝2敗(2KO敗)したが、現在はSライト級で戦っている。
一番強かったのはSバンタム級の時で、バレラと並んで軽量級のスーパースターであった。ニックネームは「テリブル」。
スーパー・バンタム級 マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)
1995年3月ダニエル・ヒメネス(プエリトリコ)を判定に下しWBO王座につくと1996月9月までの1年半の間に9度の防衛を重ね(内7度がKO)全勝で、スターダムにのし上がった。しかし1996年11月、同97年4月とジュニア・ジョーンズ(米)にまさかの連敗をきしたが、98年10月リッチー・ウエントン(英)を3RTKOに下しWBO王座に帰り咲き、2000年12月ヘスス・サルード(英)を6RTKOに下し5回防衛を重ねたが途中WBC・WBO統一戦で全勝王者エリック・モラレスに僅差の判定で敗れる。
2001年当時無敗のWBOフェザー級王者の人気者ナジーム・ハメドに判定勝ちしたが2003年マニー・パッキャオにKO敗して引退、その間好敵手エリック・モラレスとSバンタムからSフェザー級にかけて3度の対戦、2勝1敗。
何れも判定に縺れ込む激闘を演じた。当時の軽量級の2大スーパースターの激突にボクシング界は大いに盛り上がった。端正な顔立ちとその倒しっぷりにニックネームは「童顔の暗殺者」
スーパー・バンタム級 55.34kg ブヤニ・ブング(南ア)
1994年8月ケネディ・マッキニーを判定で下し、IBF王座に下し、1999年2月
ビクトル・レレナ(コロンビア)を下すまで、13回(内2KO)も防衛を果たした。
無尽蔵のスタミナを持ち2試合も続けられるのではと謳われた。打ち出すと止まることのないリズム・ボクシングで「人間機関車」のニックネームがある。パンチ力は無く、毎ラウンド打ち続けてポイントを挙げてはコーナーに戻るスタイルで長期王座に君臨したが、ビックマッチを目指して、当時実力絶頂期にあった一階級上のフェザー級WBOの王者ナジーム・ハメッド2000年3月に挑戦したが4RKOに敗れて引退。
バンタム級 53.0kg ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)
1995年9月ダウルン・MP・ペトリウムを判定で下し、WBC王座についたが、1996年
1月ナナ・コナ・ドウ(ガーナ)に2RTKOに敗れた。1998年122回防衛中だった辰吉丈一郎を6RTKOに下しWBC王座に帰り咲くと西岡利晃との2回目の対戦に敗れるまで17回かの防衛を果たして安定政権を樹立した。パンチに凄みがあるわけでもなくそれ程のスピードもなかったが、防衛も巧みで総合力で勝つタイプ。西岡に敗れて2敗で引退した。いかなる場面でも表情を変えることがなく、ニックネームはデスマスク。
ミニマム級 リカルド・ロペス
1990 10 リカルド・ロペス(メキシコ)は大橋秀行を5RTKOに下してWBCの王座につく。1998.11.ロゼンド、アレバレスWBA王者を判定に下し22回の防衛に成功。
そのあとライト・フライ級に転向し1999.10.IBFウイル・グリスビーを判定に下して通算23回目の防衛を果たして引退した。アマチュアで37戦全勝。
プロで51戦50勝1分けの完璧な戦跡であった。プロ51戦のうち8割近いKO率を残している。ロペスは試合を重ねる度に自分の弱点を修正し、完成したス タイルを身につけていった。正確な左ジャブで相手をコントロール、長いストレート、左右のフック、アッパーといづれも一発必倒の切れ味で、アッパーは長短
使い分けた。足も速く、コーナーを出る時から高々とガードをかかげ、アップスタイルで常に早いジャブを放ち、相手を寄せ付けない。接近戦でもみ合うことを 嫌い、クリンチを避けて顔を傷つけることは殆どなかった。又、危険を犯すことは避けて、安全運転を行いながら80%のKO率を誇ったのである。
10年以上に亘ってミニマム級を維持することは困難を極めたであろうが、試合後は打ち上げなど一切することはなく、直ちにホテルに入り節制に心掛けたという。
スタイリッシュで一部の隙もない、しかも常に冷静なボクシングから「精密機械」と言われたが、あまりの強さに相手がいなくなり、探すのに苦労する程でその 為にファイト・マネーが実力に見合う額に至ることがなかった。従って人気も実力に比して評価されることは低かった。彼を引退に追い込んだのは、自分の老い
と、モチベーションの低下に他ならなかった。多分ボクシング史上最高の選手の一人であるこは間違いない。
注)ミニマム級リミット 47.6kgである。